sel sal saleシェフ濱口 昌大
東京・恵比寿にある創作イタリアン「sel sal sale(セルサルサーレ)」のオーナーシェフを務める濱口昌大(はまぐち・まさひろ)さんは、こだわりの人。休日に地方へ出向いて見つけた新鮮な素材や、自作の調味料などを使ったアイデアあふれる料理を提供しています。また調理師学校の講師も務めている濱口シェフならではの、分かりやすいレシピも魅力のひとつ。今回はイタリアンになくてはならない発酵食品「アンチョビ」を使ったレシピをご提案いただきました。
料理:濱口昌大 / 構成:森綾 / 写真:木村文平
イタリア料理に欠かせない発酵食品といえば、アンチョビです。現地では、小ぶりなカタクチイワシの頭と内臓、骨を取ったものを塩漬けにし、熟成・発酵させてからオリーブオイルに漬け込んだものが、瓶詰めや缶詰で売られていますね。クリーム状に練ってチューブに入ったものもあります。
メーカーによって塩味の加減が異なるので、ちょうどいいものを見つけるといいでしょう。ただ、瓶詰めのアンチョビは量が多いので、パスタにちょっと使ったあと、余らせてしまうこともあるかもしれません。そんなときに、ぜひ試していただきたいのが、今回ご紹介する2品です。
1品目の「イタリアンmiso」は、味噌ダレのようなイメージで、ソテーした鶏肉や魚にかけていただきます。そのままでも美味しいですが、マヨネーズと混ぜると最強のディップソースになります。生野菜につけて食べたり、サラダチキンと混ぜたり、サンドイッチのフィリング(具材)にするのもおすすめです。
作っておくと冷蔵で約1週間は日持ちします。ただ、生のパセリを入れるので、カビには注意してください。セミドライトマトが手に入らない場合は、ドライトマトをお湯で戻して使ってもいいでしょう。
次に、アンチョビのしょっぱさを逆手にとって、甘いフレンチトーストと合わせてみましょう。フレンチトーストは、フランス語で「Pain perdu(パン・ペルデュ)」。忘れ去られたパン、失われたパンというような意味で、要するに、食べ切れなくて数日放っておかれたような、パサパサになった硬いパンに卵液を吸わせるのがいい、ということなんですね。
普通のフレンチトーストは、卵液を染み込ませて、バターで焼いて、さらにお砂糖をふったり、メープルシロップをかけたりします。そこで、イタリア風になるアンチョビの登場です。バターをオリーブオイルに置き換え、アンチョビとモッツァレラチーズをのせて焼いてみたら、おつまみにもなる大人のフレンチトーストになります。甘じょっぱくて、クセになる「アンチョビのせフレンチトースト」。お酒にも合うので、ぜひ試してみてください。
酢漬けケッパー・・・10g
アンチョビ・・・15g
エクストラバージンオリーブオイル・・・50g
セミドライトマト・・・60g(ドライトマトをお湯で戻したものでもよい)
パセリ・・・4g
レモンの皮・・・4g
アンチョビ・・・8尾
牛乳・・・100ml
卵・・・2個
6枚切りの食パン・・・2枚
モッツァレラチーズ・・・120g
グラニュー糖・・・40g
PROFILE
濱口昌大(はまぐち・まさひろ)
1979年、大阪府寝屋川市生まれ。25歳のとき、マリオ・フリットリ氏に師事し、「Ristrante Luxor(リストランテ ルクソール)」にて修業を開始。イタリアンレストランを皮切りに、フランス料理「En condition(アンコンディション)」などで勤務した後、「六本木農園」シェフに就任、東京と農家を結ぶコンセプトレストランを運営する。 2010年イタリア、プーリア州に渡り「Ristorante Sotto l'Arco (リストランテ ソットラルコ)」(ミシュラン1つ星)にて修業。 イタリアの地産地消の哲学・ワイン文化に影響を受け、食文化を学ぶためヨーロッパ・北欧10カ国ほどをまわる。 2014年、東京・世田谷区池尻にレストラン「sel sal sale(セルサルサーレ)」をオープン。 2017年に恵比寿へ移転、現在に至る。飲食コンサルタント、また、食の専門学校「レコールバンタン」の講師としても活動中。