三和酒類 代表取締役社長下田 雅彦
聞き手:作家・ライター 藤田 千恵子
対談「もっと語ろう麹と発酵」第3回は、大阪大学工学部発酵工学科で醸造学を学び、工学博士号を取得された技術者でもある、三和酒類の下田雅彦社長。いかにして美味しい酒を造るのか。経験と実績に裏付けられた麹や発酵への愛情たっぷりなお話を、全国の酒蔵を巡り歩くライター、藤田千恵子さんが伺います。対談は前編・後編に分けて公開予定で、本記事は前編となります。 後編「麹原料にも麦を使うことで初めて『麦100%の焼酎である』と言えるものなんです。」 写真:三井公一
PROFILE
下田雅彦(しもだ・まさひこ)
三和酒類株式会社 代表取締役社長 工学博士(大阪大学)
1955年、大分県豊後大野市出身。79年大阪大学工学部醗酵工学科卒業後、清酒メーカー勤務を経て、84年10月三和酒類に入社。主に研究開発部門を担当し、89年に設立された三和研究所研究室長、99年取締役研究所長、2003年常務取締役、09年専務取締役、14年取締役副社長、17年10月に代表取締役社長に就任。
<受賞歴>
1995年(財)日本醸造協会技術賞「麦焼酎の原料処理に関する研究」、99年(財)日本醸友会技術賞「麦焼酎蒸留粕処理と有効利用」、2021年文部科学省令和3年度科学技術賞(開発部門)「焼酎原料用精麦大麦の原料処理に関する開発」
PROFILE
藤田千恵子(ふじた・ちえこ)
ライター、作家。酒と醗酵食を中心に日本の食と生産者を捉えた数々のフードライティングを発表。著書に「日本の大吟醸100」「杜氏という仕事」(ともに新潮社)、「これさえあれば―極上の調味料を求めて」(文藝春秋)、「美酒の設計」(マガジンハウス)など。現在、「dancyu」「あまから手帖」等、雑誌の日本酒特集に寄稿。2004年より長野県原産地呼称管理制度日本酒官能審査員。日本の醗酵食品と日本酒を共に味わう「醗酵リンク」主宰。