糀屋本店社長浅利 妙峰
聞き手:作家・ライター 藤田 千恵子
創業333年という糀屋本店9代目社長の浅利妙峰さん。2007年に塩こうじの開発、商品化に踏み切り、全国的なブームを巻き起こしました。塩こうじ以外にも甘酒の原液である甘こうじを砂糖の代わりに用いるなど、こうじを使った製品の研究開発を行う一方、国内外でこうじ文化の普及活動もされています。前編に続き、浅利さんの精力的な活動について、全国の酒蔵を巡り歩くライター、藤田千恵子さんが伺います。 前編「あえて言いますとね、塩こうじは手間を飛び抜かすことをやってくれた」 写真:三井公一
PROFILE
浅利妙峰(あさり・みょうほう)
有限会社糀屋本店社長
1952年、大分県佐伯市生まれ。1689(元禄2)年創業の糀屋本店の長女。1972年糀屋本店入社。2007年に調味料としての塩こうじを商品化、店頭での講習会やブログ・著作で塩こうじを利用したレシピを公開した。評判は口コミで広まり、2011年には塩こうじがブームに。浅利氏自身が開発した塩こうじの「黄金比率」や使い方を公開しており、塩こうじづくりに大手メーカー各社も参入。2012年、糀屋本店の9代目社長に就任。塩こうじ以外にも甘酒を砂糖の代わりに用いるなど、こうじを使った製品の研究開発を行うだけでなく、欧米・南米・アジアなどでこうじ文化の普及活動も行っている。2013年に内閣府男女共同参画局「平成25年度 女性のチャレンジ賞」受賞。
PROFILE
藤田千恵子(ふじた・ちえこ)
ライター、作家。酒と醗酵食を中心に日本の食と生産者を捉えた数々のフードライティングを発表。著書に「日本の大吟醸100」「杜氏という仕事」(ともに新潮社)、「これさえあれば―極上の調味料を求めて」(文藝春秋)、「美酒の設計」(マガジンハウス)など。現在、「dancyu」「あまから手帖」等、雑誌の日本酒特集に寄稿。2004年より長野県原産地呼称管理制度日本酒官能審査員。日本の醗酵食品と日本酒を共に味わう「醗酵リンク」主宰。